アマルガムとは

20年くらい前まで、小さなむし歯を削った後の詰め物に、「アマルガム」という保険の金属がよく使われていました。
このアマルガムという金属は、水銀を50%も含んでいます。(水銀の他には、銀35%、スズ9%、銅6%、少量の亜鉛を含んでいます。)
保険で認められた金属だから、水銀が含まれていても大丈夫なのでは?と思われるかもしれませんが、金属は長い年月をかけて劣化していきます。まして や、口の中は常に高温多湿な、金属にとって過酷な環境です。熱い飲み物などでも(ほんの少しずつですが)溶けてしまうことがありますし、長年のうちにアマ ルガムも腐食し、溶け出た成分が体に吸収、蓄積していくといわれています。
明るい部屋で、鏡を使って口の中を見てみてください。

昔むし歯治療をしたところに、黒ずんだ小さな詰め物があったら、それはアマルガムかもしれません。
水銀は、不定愁訴を引き起こすとも言われています。水銀が胎児や母乳に影響を与える可能性があることから、イギリスの厚生省やスウェーデンでは、妊婦にアマルガムの詰め物をしないように警告しています。
アマルガムは固まりやすくて溶けやすい金属のため、以前は歯科治療でもよく使われていましたが、最近ではアマルガムが含む水銀の危険性を考慮して、だんだんと使われなくなってきています。
アマルガムは形が変わりやすいので、詰めてから年月が経ったアマルガムは、その境目からむし歯が再発することがよくあります。
当院では、むし歯を削った後の詰め物に、リスクの高いアマルガムを使わないことはもちろんですが、劣化して腐食しているアマルガムの除去も積極的に行なっています。
症例
術前


アマルガムの詰め物が入っていました。
アマルガムは水銀を官有しているため、揮発により健康に影響を及ぼす恐れがあります。
術後


親知らずを抜歯しました。(保険治療)
審美的な「白い歯の治療」を希望されたので、可能な限りジルコニアの詰め物を使用しました。
右下の奥はかみ合わせの関係でゴールドの詰め物をしました。
治療費:ジルコニアの詰め物…55,000円、65,000円(税別)
ゴールドの詰め物…75,000円(税別)
小さい奥歯はコンポジットレジン充填(保険)
トータル:270,000円(税別)
治療回数(期間):約15回(約5か月)

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